【スポーツベッティング】日本や世界の現状とスポーツくじ

スポンサーリンク
スポーツビジネス
スポンサーリンク

2020年は新型コロナウィルスの影響で、あらゆるビジネスで適応・変革が求められました。スポーツビジネスも例外ではなく、そもそもオフラインを中心に派生していくビジネスでもあったため、スタジアムがファンで満員にならない前提で再構築する必要性もあるでしょう。

そこで、ひとつの可能性として注目されているスポーツくじ・スポーツベッティングにフォーカスを当ててみます。

スポーツくじ・スポーツベッティング
スポーツくじ・スポーツベッティング
スポンサーリンク

2020年末にスポーツくじに関する大きな報道:スポーツベッティングの方向に?

なぜ、この記事を執筆しようと思ったか、にもつながる内容ですが、2020年12月にこのようなニュースが出ました。

totoにバスケ追加 2022年にも 改正法が成立: 日本経済新聞

簡単にいえば、

・Jリーグだけでなく、Bリーグの試合もスポーツくじの対象になる

・複数試合のまとまった結果だけでなく、単一試合の予想も可能になる

という変更が予定されています。

従来のスポーツくじでは、対象の試合全ての勝敗について予想する必要があり、手間もかかるためコンピューターの自動予想に任せる「BIG」が占める割合が多かったのですが、この法改正により、自身で予想する「toto」への流入が増えると予想できます。

日本では賭博・スポーツベッティングと呼ばれるものが原則禁止のなかで、競馬や競輪、Jリーグなどが例外として定められる形でギャンブルが行えるようになっています。今回の法改正を皮切りに、スポーツベッティングの本格導入が始まることも想定できます。

スポーツくじとは?スポーツベッティングとは?

そもそも、スポーツくじは対象となる試合の結果を予想し、その結果が当たるかどうか、そして倍率などの変数からあたりはずれと当選金額が決定されます。宝くじに近い感覚で、スポーツを対象にくじを引くイメージでしょうか。単に数字を予想する宝くじではなく、チームの勝敗や順位を予想し、その結果が確定するまでのプロセスも楽しむことができるのが特徴です。

スポーツくじは、そもそもスポーツ振興を目的として設立され、売上から経費を引いた収益の大半がスポーツ施設や選手強化といった形でスポーツ産業に還元されます。 よって、「賭ける」というより「寄付」に近いイメージといえます。裏返すと、スポーツ賭博に対するネガティブイメージがあるため、「くじ」や「寄付」といった建付けにせざるをえなかったのかもしれません。

海外では「スポーツベッティング」が人気

スポーツくじと似て非なるものとして「スポーツベッティング」があります。文字通り「スポーツ賭博」ですが、スポーツくじが「予想して賭ける」というより「宝くじ」の要素が強いのに対し、「スポーツベッティング」では勝敗や個人成績などを予想し、その予想にお金を賭けます。予定されている法改正では1試合単位での予想も可能になりますが、海外のスポーツベッティングではもっと細かい単位での予想や、試合中に予想する「ライブベッティング」も盛んです。

日本でも普及している「DAZN」を運営する会社は、イギリスの会社でそもそも賭博をビジネスにしています。日本でスポーツベッティングが普及するうえでのハードルは色々とありますが、そもそも賭博の文化が根付いていたイギリスにおいて、賭博と親和性の高いスポーツ中継サービスが生まれるのは自然な流れだったのでしょう。

アメリカでもスポーツベッティングが急拡大

アメリカでも、従来はスポーツベッティングが禁止されていましたが、2018年に米国最高裁判所が法的解釈を変更し、スポーツベッティングの合法とするかどうかを州ごとの判断に委ねるとしました。

これにより、スポーツベッティングを合法とする州が増え始め、コロナによるスポーツ界の危機も相まって20州程度がスポーツベッティングを合法としています。アイオワ州、ペンシルバニア州、ニュージャージー州などです。

日本のスポーツくじ・スポーツベッティングの現状

法改正により、さまざまな変化が予想されるスポーツくじ・スポーツベッティングの現状について整理してみます。

日本では、実質「スポーツくじ」

冒頭でも触れているように、日本では基本的に「スポーツくじ」です。現在の商品設計でも予想しようと思えば予想もできますが、一定の知識や情報がないと何試合もの予想をする気にはならないでしょう。一方で、どうなるかわからない「ワクワク」という特性を持ったスポーツの結果に左右される「くじ」として楽しむ人は多く、令和元年度の売上は1,000億円に迫っているなか、90%前後を「BIG」が占めています。

https://www.jpnsport.go.jp/sinko/Portals/0/sinko/sinko/pdf/happyou20200325.pdf

法改正で期待される「スポーツベッティング」

繰り返しになりますが、今後の法改正では以下の変更が予定されています。

・Jリーグだけでなく、Bリーグの試合もスポーツくじの対象になる

・複数試合のまとまった結果だけでなく、単一試合の予想も可能になる

元来はJリーグや海外サッカーなどに限定されていたスポーツくじの対象がBリーグにも広がり、スポーツくじ市場の拡大が期待されます。一方Bリーグとしてもコロナで苦しい各クラブの経営における新たな収益源として大きなポテンシャルを秘めています。

さらに、単一試合の予想も可能になることで、単純に当選確率が高くなること、予想しやすくなることが想定できます。1試合での結果は「勝ち」「負け」「引き分け」の3択で、当選金額は理論上低くなるものの、「当選する」という体験をする人が格段に増えるでしょう。

従来は文字通り「くじ」の性格が強かったスポーツくじが、「スポーツベッティング」に変化していくことが予想できます。

現時点でも”スポーツベッティング”をすることは可能

日本の法律に準ずると、日本の事業者が日本のユーザーに対してスポーツベッティングサービスを提供することは不可能ですが、海外の胴元を取り締まるのが現状困難です。

ややグレーなところもありますが、「Sportsbet.io」や「betway」、「bet365」といった海外のサービスを通じてスポーツベッティングに参加することは可能といえば可能なのです。

スポーツベッティングに対する世間の印象は?

法改正もあり、スポーツベッティングへの期待も高まっていますが、日本は「スポーツ賭博」へのネガティブイメージが強いのではないでしょうか。近年でいえば、

・プロ野球選手の賭博事件

・バトミントン選手の違法カジノ賭博

などがありました。

ただ、日本人はそもそもギャンブル好きともいわれており(競馬やパチンコ、ギャンブル投資など)、不正を防止する仕組みを整備しておけば、市場としては伸びる可能性はありそうです。

これは「インテグリティ」に含まれるそうですが、詳しくは以下もご参照ください。

「スポーツ・インテグリティについて考える ~JSCスポーツ・インテグリティ・ユニットの取り組みと国際動向~」 – スポーツアカデミー2017 第7回 – 笹川スポーツ財団

スポーツくじの収益がスポーツ産業を支えている

スポーツくじは「賭博」との結びつきが強く、何かと批判されがちですが、実はスポーツ産業を支えているのはスポーツくじです。日本政策投資銀行の資料によれば、2012年の市場規模11.4兆円のうち、公営ギャンブルが4兆円程度で最も大きな割合を占めています。この大きな収益がスポーツ施設などに還元され、「する」スポーツが広がり、「みる」スポーツの潜在顧客を支えていると考えることもできます。

参考図書

一番読まれている定番テキスト、待望の新版。 アマチュアからプロまで、はじめての本格的な入門書! 斯界の第一人者が、豊富な実例とともにエッセンスを体系的な知識として提示。

スポーツくじやスポーツベッティングが広がるメリット

先述の通り、スポーツくじの収益はさまざまな形でスポーツ産業に還元されています。スポーツくじが未来のファンや未来のスポーツ選手を支えているといっても過言ではないでしょう。人口減少で苦しい日本市場において、スポーツくじやスポーツベッティングが広がるメリットは多分にあります。

それだけでなく、コロナ対策の一環としても有効だと考えています。コロナの影響で、スタジアムでの収益をメインとしたビジネスモデルの限界が露呈しました。スタジアムにファンが集まらないということは、放映権やスポンサーシップ、グッズ販売など他の大きな収益源にも影響します。その意味でも、スポーツくじ・スポーツベッティングはスタジアム外の収益源としても期待でき、コロナ禍で苦しい経営を打開するポテンシャルを持っています。

スポーツくじ・スポーツベッティングへの期待
スポーツくじ・スポーツベッティングの可能性

合わせて読みたい

www.itsportsbiz.work

www.itsportsbiz.work

タイトルとURLをコピーしました