Web広告の種類を初心者目線で徹底解説します

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新型コロナウィルスの影響で、消費者の行動がオンラインに大きくシフトし、デジタルマーケティングの重要性が増しています。デジタルマーケティングを推進するうえで外せないのがWeb広告ですが、種類や用途が複雑でよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

エンジニアを本業とし、Webマーケティングにも片足を突っ込んでいる筆者が、Web広告の種類について初心者目線で解説します。

Web広告のメリットは?従来のマス広告と何が違うの?

Web広告の詳細や種類に入る前に、「Web広告」と「マス広告」という粒度で比較しながらでWeb広告の概要をご説明します。

文字通りWeb上に掲載されている広告ですが、主に3つの特徴があります。

まず、マス広告と比較してWeb広告は基本的に「運用型」であること。インプレッションやクリック数、コンバージョンなどの各プロセスがほぼリアルタイムで記録されます。そのため、1度出稿しても短い期間で効果検証し、その結果に応じて改善も可能です。広告テキストやクリエイティブ、ターゲットなどの設定を適宜変更でき、試行錯誤しながらWeb広告の効果を最大化できるのです。

また、費用発生の仕組みも特徴的です。マス広告では、その広告枠を買い切りであるのに対し、Web広告では基本的にクリック数に応じて費用が発生します。つまり、広告をユーザーが目にしただけでは費用は発生せず、何らかの動機があってクリックした場合だけです。クリック単価の上限も設定でき、予算をコントロールしながら低コストから開始できるのもWeb広告の大きな強みです。

3つ目の特徴が、広告を打ち出すターゲットの設定です。テレビCMでは、特定の番組や時間帯といった絞り方しかできないのに対し、Web広告ではもっと細かいターゲット設定が可能です。性別や年齢、地域といったデモグラフィックな切り口はもちろん、特定のキーワードでの検索や、特定のWebサイトの閲覧履歴といったユーザーの行動に基づくターゲティングもできます。

盲目的にWeb広告に頼らない

色々なメリットがあるWeb広告ですが、必ずしもマス広告を廃止してWeb広告に振り切ればよい、という訳ではありません。自社のサービスやターゲットとする層・ボリュームによって使い分けることが大切です。

たとえば、Web広告だけで特定のターゲットの1,000万人にアプローチしたい場合、クリック単価を100円とすると単純計算で10億円の費用がかかります。しかし、このだけの費用であればテレビCMを流し、短期間で認知を獲得することは可能です。

※Web広告の1クリックとテレビCMでは厳密には効果が異なりますが、一旦置いておきます

一方で、効果の高い広告を検証するためにWeb広告を低予算で複数パターン運用し、効果の高い広告をテレビCMにも投下する、といった併用も可能ですし、特に地方ではまだまだテレビは強いメディアといわれています。

盲目的にWeb広告につぎ込むのではなく、目的に応じてうまく使い分けられるとより効果を高められます。

Web広告の種類をどう分けるか

リスティング広告、ディスプレイ広告、DSP、動画広告、インフィード広告、リマーケティング広告、記事広告、純広告etc・・・

これらの言葉を聞いて、Web広告に対して難しいという印象を抱いたことがある人も多いかもしれません。Web広告にはさまざまな分け方があり、カタカナも多く理解が難しい側面もあります。ただ、理解を妨げているのは、その複雑さというよりうまく整理できていない点にもあります。

上記でいえば、Web広告の「種類」として列挙する粒度や切り口がばらばらです。種類として分ける際の単位を整理することで、Web広告について理解しやすくなります。あまりにも種類が多いので人によって微妙に異なるかもしれませんが、筆者は以下の切り口や単位でWeb広告を整理できると考えています。

※前提として、ファイルフォーマット(テキスト、画像、動画など)による分類は省略

Web広告の種類
Web広告の種類

運用型

・掲載フォーマット:バナー、インフィード、ネイティブなど

・ターゲット別:ディスプレイ、リスティング、リマーケティング

成果報酬型

・アフィリエイト広告

買い取り型

・純広告

・記事広告

まず、費用や広告を出稿するパターンについて「運用型」「成果報酬型」「買い取り型」に分けられます。それぞれについて、詳しくみていきましょう。

Webならではの運用型広告

Web広告の最大の特徴のひとつが「運用」できること。つまり、広告を出稿するしながら短いスパンで広告文やバナーといったクリエイティブ、出稿先やターゲットなどを修正できます。テレビなどのマス広告では一定期間の枠で買い切りとなり、大きなコストをかけたうえでPDCAを回すことができません。Webの運用型広告では少ない金額で開始でき、かつ市場にぶつけながら改善していくことが可能です。

掲載フォーマットによるWeb広告の種類

まずは掲載フォーマットでWeb広告の種類を分けることができます。

・バナー広告

・インフィード広告(より広義にはネイティブ広告)

バナー広告はWeb広告の最も代表的なもののひとつで、Webサイト内で四角の画像+テキストで掲載されています。コンテンツの途中に挿入されていたり、PCサイトだと右上に位置していたりする広告です。特にWebを頻繁に利用するユーザーは、広告と認識しやすく、ターゲットにマッチしていないと基本的にはスルーされてしまいます。

Web広告の種類
バナー広告の例

インフィード広告はネイティブ広告の一部ですが、主にSNSのフィードにおいて、通常の投稿フォーマットと同じフォーマットで掲載される広告です。友人や知人の投稿と同じ形で並んでいるため、媒体になじんでおり、ユーザーに広告と認識されずに接触しやすい特徴があります。ブログなどのメディアの記事一覧などもネイティブ広告が入りやすくなっています。

解釈によっては、後に説明するリスティング広告もネイティブ広告の一種といえます。

ターゲット別で分けるWeb広告の種類

マーケティングを行ううえで、そのなかで広告を展開するうえで重要なのは「ターゲット」です。どのようなメッセージを(What)をどのように伝えるか(How)の前に、誰に(Who)が適切でなければ、せっかくの広告費用を捨ててしまうようなものです。

幸い、Web広告ではマス広告以上に精度の高いターゲティングが可能です。ターゲティングの観点では以下の種類のWeb広告があります。

・ディスプレイ広告

・リスティング広告

・リマーケティング広告

ディスプレイ広告は、基本的にはWebサイト内に掲載されているバナーの形で、まだそのサービスを知らないユーザーに向けて認知目的で活用されることが多いです。どんなに良いサービスでも、知られなければ意味がありません。そのサービスを求めている(であろう)人をデモグラフィック的な観点や閲覧履歴などの行動データなどから絞り、「(あなたにとって)こんなに素晴らしいサービスがある」ということを訴求します。バナー形式の広告が目に入っただけでは記憶してもらえないので、その場でクリックしたくなるようなクリエイティブとメッセージがポイントです。

ディスプレイ広告が未認知で潜在的なニーズを抱えた顧客へのアプローチであるのに対し、リスティング広告はニーズが顕在化しているユーザーにアプローチするWeb広告です。

Web広告の種類
リスティング広告の例

というのも、(サービス名は認知していない可能性はあるが)特定のキーワードで検索したユーザーに「タイトル+広告テキスト」の形で訴求する広告だからです。そのキーワードがそのままニーズといえます。キーワードとその背景にあるニーズを分析さえできていれば、非常に効果的なWeb広告です。

似たようなアプローチとして「SEO」がありますが、SEOは狙ったキーワードで上位表示されるまでに時間がかかります。中長期的にはSEOに取り組む必要はありますが、低コストで短期的な成果を求めたい企業にとって、外せないWeb広告手法といえるでしょう。

成果報酬型もWeb広告ならでは

成果報酬型は基本的にアフィリエイト広告と考えて問題ありません。メディアやブロガーがサービスや商品について紹介し、そのサイトを介して購入や問い合わせに至った場合、一定割合の報酬がメディアやブロガーに支払われます。

広告主の視点に立てば、成果が発生した件数や金額に応じて広告費が発生するため、無駄な広告費をゼロに抑えることができます。

Webのテクノロジーを活用し、どのサイトをどのタイミングで経由したコンバージョンかを記録できるからこそ成り立つWeb広告です。

Web広告にも「買い取り型」はある

Web広告の種類の話をしていると、「Web広告=運用型」イメージも強いかもしれませんが、Web広告にも枠を買い取る広告もあります。代表的なのは以下です。

・純広告

・記事広告

純広告は、Webメディア内の広告枠を一定期間あるいは一定のインプレッション数などの単位で買い取り、そこにテキストやバナーなどの形で広告を出稿します。基本的に、途中で修正できません。

記事広告も、同じく特定のメディアへの出稿ですが、純粋な広告の形ではなく、文字通り「記事」の形式で、メディアという第三者目線の記事としてPRします。広告とはいえ第三者目線なので信頼性・客観性が増すこと、記事内に文章だけでなく画像や動画なども使いながらアピールできるといったメリットがあります。自社のターゲットと親和性が高いメディアであれば高い効果が期待できる一方、ブランド力の高いメディアとのタイアップだと費用が高くなります。

Web広告の種類を知ったうえで目的別に活用する

Web広告には幅広い種類があり、覚えるのも大変ですが、大切なのは目的意識です。何のためにそのWeb広告を用いるのかを整理できていれば自然とWeb広告の理解が深まるだけでなく、成果を出せる施策を打ち出せるようになります。

認知獲得目的で活用するWeb広告

新規顧客を獲得するうえで、まだ自社のサービスを認知していない顧客にアプローチする必要があります。最も手っ取り早いのは、既存顧客と同じ属性や特徴を持つユーザー像を抽出し、そのユーザー層に絞ってディスプレイ広告やSNS広告を打つことです。

特にWeb広告はバナーを目にしただけでは(インプレッションでは)基本的に認知されたことにならず、少なくともクリックまでしてもらう仕掛けやメッセージが必要です。

似たような考え方で、純広告や記事広告で潜在的かつターゲットと親和性の高いユーザーが多いメディアに露出することも認知獲得に有効です。

コンバージョン目的で活用するWeb広告

Web広告では、商材によりますがクリックからそのままコンバージョンまでを一気に担うことも可能です。その観点で特に有効なのがリスティング広告とアフィリエイト広告です。

両者に共通するのは、基本的に「検索」というニーズが顕在化した段階での行動が伴われている点です。リスティング広告は説明した通りですが、アフィリエイト広告においても何らかの「検索」を経てWebページにたどり着き、そこで興味を持った商品やサービスのページに遷移していることが多いです。

いかに有効なキーワードを発見し、購入に近い段階にあるユーザーを取りこぼさずに確実にコンバージョンに至ってもらうかが重要です。

どのようなユーザーに、どのような目的でそのWeb広告を出すのか、常に考えるようにしましょう。

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