2020年、新型コロナウィルスに見舞われるなか、キングコング西野亮廣さんが総指揮を執る「映画 えんとつ町のプペル」の公開が年末に迫っています。
西野亮廣さんは、元々お笑い芸人としての顔もありながら、近年はクリエイターとして、さまざまな絵本や個展などの活動を展開してきました。
「作品は届かなければ意味がない」という事実から、自身の作品をどう届けるか、いわゆる「マーケティング」や「広告」においても独自の戦略で自身の作品を広く届けることに成功しています。
※もちろん、西野さんの作品のクオリティが高いことが前提になっています。
最初は世間からのバッシングが非常に激しかったのが、特にコロナを経て「クラウドファンディング」や「オンラインサロン」は定着していますが、その第一人者ともいえるのが西野亮廣さんです。
この記事では、キングコング・西野亮廣さんのおすすめ本をご紹介していきます。
西野亮廣さんを”誤解”しているあなたに見てもらいたい動画
本の紹介に移る前に、そもそも西野亮廣さんは世間的には「怪しい」「宗教」「詐欺」といったワードが結びつく人が多いみたいですね。その理由はいくつかあると思いますが、大きいのはやはりテレビ番組側の知識が追いついていないことでしょう。
映画「えんとつ町のプペル」の宣伝で最近は西野亮廣さんが色々な番組に出ているのを目にしている方も多いと思いますが、そこでの番組側のスタンスは決まって「いくら稼いでる?」「オンラインサロンって怪しい」など。
西野亮廣さんを理解したうえでの「イジリ」ならまだしも、基本的には理解が追いついていないが故の「イジリ」で、テレビがいかに時代錯誤か、ということを露呈しています。
そんななか、最近注目を集めているYoutube番組「winwinwiiin」の第2回にて、西野亮廣さんがゲスト出演しました。
オリラジの中田敦彦さんが西野亮廣さんが手掛けてきた「革命」やその考え方について一般の方でも理解しやすいようにプレゼンしてくれています。テレビ番組のようなクオリティの面白いトーク番組になっているので、ぜひチェックしてみください。
【宮迫×中田】西野亮廣(前編)〜12年 夢を信じぬいた男の死闘〜【Win Win Wiiin】
【宮迫×中田】西野亮廣(後編)〜宮迫さんを吉本に戻して下さい〜【Win Win Wiiin】
西野亮廣さんの”アート”なサービス
上記のWinWinWiiinでも取り上げられていますが、西野亮廣さんの経験から導き出した考えからいくつもの面白いサービスが生まれています。
そのうちのひとつが「レターポット」というサービスです。
SNS時代になり、Twitterを中心に誹謗中傷が問題視されるようになっていますが、色々考えられる要因のうち、本質的にたどり着いた結論が、「無限に言葉を無料で使えてしまうから」です。
一方、寿命が近い方々は、決して誹謗中傷に残された言葉を使わなかったそうです。そこで、1文字を1円で買い、感謝の言葉などが循環するサービスとして作られたのが「レターポット」です。
もうひとつ、私が面白いと思っているのが「しるし書店」です。
本来、古本は定価よりも価値が下がってしまうものですが、著名人やファンとして応援している人、リスペクトしている本がメモやしるしをつけた本であれば、むしろ価値が上がるのではないか、という実験も兼ねたサービスです。
これが循環すれば、「読書」が仕事にもなりえます。
これらはあくまで一例ですが、西野亮廣の発想力や思考を深堀りする力、システムとして問題を解決する力の一端に触れられるサービスですね。
映画「えんとつ町のプペル」のヒットに伴い、西野亮廣さんの本が売れている
2020年12月25日に公開された映画「えんとつ町のプペル」は、約1ヶ月で観客動員数100万人を超えるヒットとなっています。
それを裏付けるかのように、この後ご紹介する西野亮廣さん著の本および絵本が売れています。幻冬舎・袖山さんによると、
「王様のブランチ」のBOOKランキングで1位『ゴミ人間』を筆頭に、絵本『えんとつ町のプペル』とその売り方を解説した『革命のファンファーレ』がトップ10にランクインしたのだとか。
西野亮廣 最新本情報(2021/3/4更新)
2020年12月25日の公開に向けて映画「えんとつ町のプペル」やその宣伝で忙しい西野亮廣さんですが、プロモーションの一環として新刊が発売されます。Amazonや書店での予約も始まっているので、要チェックです!
ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある
西野亮廣さんがテレビから軸足を抜き、映画えんとつ町のプペルの公開に至るまでのエッセイとしてまとめられた一冊です。いわゆる「ビジネス書」ではなく、日本中から叩かれた過程や「えんとつ町のプペル」を通して伝えたい想いなどが綴られています。
別冊カドカワ【総力特集】西野亮廣 (カドカワムック)
芸人でもあり、絵本作家でもあり、作品と届ける天才マーケターでもある西野亮廣さんの素顔に迫るインタビューや、スタッフや友人目線での西野亮廣について合計4万字のボリュームが詰まった本です。
みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~
2020年の年末に上映開始された映画「えんとつ町のプペル」も3月に入り上映終了が近づいてきています。そんななか、その「えんとつ町」の3年後が舞台となっている、西野亮廣さんの新作絵本が発売となります。
西野亮廣さん著のおすすめ本をご紹介
それでは、キングコング・西野亮廣さんが書いたおすすめ本をご紹介していきます。
現代のマーケティングや広告を理解できる『革命のファンファーレ』
絵本作家としての活動を始めた当初は、「自分はあくまでクリエイターであり、絵本を売るのは出版社の仕事」と考えていたという西野さん。しかし、いくつか絵本を世に出すうちに、その常識に疑問を抱きます。
そこで、年末に映画が公開される「えんとつ町のプペル」については、自身がイニシアティブをとって絵本を多くの人に届ける活動を展開しています。「革命のファンファーレ」は、シンプルにいえば「えんとつ町のプペルの売り方」の説明書です。
言い換えれば、今では浸透しているさまざまな「マーケティング」や「広告」などの戦略です。たとえば、絵本「えんとつ町のプペル」は、インターネット上で無料公開されています。
読書層、つまり子育てや家事が忙しい母親の心理を紐解き、内容が事前に分からない(ネタバレがない)絵本をリスクを取ってまで買わない、という考えからインターネット上で「立ち読み」してもらうことで、裾野を広げました。
行列ができる飲食店では「行列」が集客につながっているのと同じで、特に時間が現代で「ハズレ」を引くことは極力避けたいわけです。
西野亮廣さんは、単に無料公開しただけではなくネット上では読み聞かせがしづらいUIにし、無料閲覧→書店や通販で購入という流れを作る戦略が実に見事です。
絵本が持つ「情報」としての価値だけでなく「コミュニケーションツール」や「インテリア」、「ギフト」といった価値を因数分解し、認知を取りつつ収益にもつながるシステムが組まれています。
このようなマーケティング戦略や、学校では決して教えてくれないお金の本質的な話(信用やクラウドファンディングの本質)なども詳しく解説されています。
マーケティングに携わる方は、もちろん、経営者やクリエイターなどあらゆる方が読んで損がない一冊です。
挑戦を続けるあなたに『新・魔法のコンパス』
変化の激しい現代において、「挑戦」しない方がリスクが高いといわれています。たとえば、大企業に勤めていることが必ずしも「安定」とはいえなくなっており、どんな会社でも活躍できるスキルや経験を積み上げることが重要性を増していたりします。
しかし、「挑戦」には「批判」がつきものだったりもします。キングコングの西野亮廣さんは、まさに周囲から批判を受けながらも挑戦を続けてきた方です。
25歳でテレビを中心としたエンタメの将来に限界を感じ、世界にエンタメを届ける「手段」を変えて、「絵本」を選びましたが、この当時は世間や同業の芸人からも「ひな壇に出ろ」と叩かれていました。
あくまで「手段」を変えたに過ぎなかったのが、世間からは意図しない切り取られ方をされてしまったのです。
「クラウドファンディング」や「オンラインサロン」も、表面的な部分が切り取られ批判の的になっていましたが、それらも挑戦にはつきもの。人間の心理や本質を踏まえ、今後の向かうべき指針、まさに「コンパス」になる一冊です。
西野亮廣に学ぶ新時代の働き方や信用の稼ぎ方『新世界 (単行本)』
オンラインサロンに入っていて、またご本人も仰っていますが、西野亮廣さんが最新で手掛けていることは、世間より何年も進んでいる感覚です。
それが故に、今取り組んでいることを世間に発信すると、多くの人が理解できず、結果として批判されることもしばしば。
しかし、新型コロナで世界が大きく変化するなかで、結果的に世間が以前から西野さんが提唱していた「信用」の話や、「働き方」、新しい挑戦などが「スタンダード」になりつつあります。
そんな内容を、西野さんが優しく、わかりやすく語ってくれるのがこの本です。
番外編:西野亮廣の代表作 絵本「えんとつ町のプペル」
2020年12月25日には、映画「えんとつ町のプペル」が公開されます。オープニング3分間の映像もYoutubeで公開されているので、ぜひご覧ください。スマホやタブレットで観るだけでも非常に迫力を感じる映像で、映画館で観たくなりますね。
『映画 えんとつ町のプペル』冒頭180秒大公開!!【12月25日公開】
西野亮廣さんが構想8年以上かけた映画「えんとつ町のプペル」
2020年12月25日には、上記動画の映画「えんとつ町のプペル」がついに公開されます。いわゆるアニメの映画化とは異なり、そもそも絵本の映画化であること、そして映画化を構想したうえで絵本としてスピンアウトされていた点が特徴です。
西野亮廣さんは最初に映画の脚本を書いた上で、「いきなり映画を見に来ないだろう」という読みから脚本の一部を絵本として抜き出していたのです。
えんとつの煙で塞がれている町で、その向こうには星があると信じて行動し続ける主人公ルビッチやプペルの物語は、「エンタメで世界と獲る」ために挑戦し続けてきた西野亮廣さんの物語でもあります。
奇しくも、映画が公開されている年に新型コロナウィルスが襲来し、公開を延期する選択肢もあったなか、コロナの厳しい状況でも苦難に立ち向かっている人へのエールとしての意味も持つことになりました。
えんとつ町のプペルの醍醐味は、主人公だけでなく、その周囲にいる人物たちも含めると、そのうちの誰かに自分を重ねながら楽しめるところです。
その意味で、老若男女問わずおすすめでき、西野亮廣さんの口癖でもある「誰も見捨てない」という信念が表現されている映画でもあります。
西野亮廣さんと「マーケティング」
お笑い芸人であり、絵本作家であり、オンラインサロンのオーナーでもある西野亮廣さんについて、「マーケター」というイメージを持っている人も一定数いるのではないでしょうか。
数々の革新的なマーケティング戦略や広告戦略を成功させてきたことが関係していると思いますが、西野亮廣さんが行う「マーケティング」は一般的な「マーケティング」とは乖離があるといえます。
一般的に、マーケティングでは顧客のニーズに基づいて商品開発をしたり、それをプロモーションして届けたりすることを指します。世間に溢れている大半の商品やサービスはこれに当てはまるのではないでしょうか。
一方、西野亮廣さんの「マーケティング」は、あくまで作家として「自己満足(ただ、クオリティは高い)」な作品を作り、それを力技を使ってでも多くの人に届けていくことにあります。
そこに、受け手の「ニーズ」はありません。このあたりは、本でいえば最初に挙げた「革命のファンファーレ」を読んでみてください。
ただし、私が日々の発信を読ませてもらっているなかで感じるのは、西野亮廣さん頭のなかにはつねに「ジョブ理論」があるのではないか、ということ。
それが故に、数々の作品やエンタメを多くの人に届けることに成功しているように感じます。
ジョブ理論については、こちらの書籍がおすすめです。
西野亮廣さんは映画「えんとつ町のプペル」をどう届けるか
絵本の「えんとつ町のプペル」は絵本としては異例の50万部を超える大ヒット作ですが、「アニメ映画」としてくくるとまだまだ認知は低いといえます。
ディズニーやドラえもん、最近でいえば「鬼滅の刃」のように広く知られた「アニメ」や「漫画」の映画化と異なるわけですね。
西野亮廣さんは「えんとつ町のプペル」が置かれた立ち位置を冷静に分析したうえで、12/25の公開に向けて地道な試行錯誤をひたすら繰り返しているように見えます。
コロナに見舞われた苦しい2020年の締めくくりとして、世間のニーズも無視した「偏愛」の作品をどのように「マス」にまで届けるか、ぜひ注目してみてください。
西野亮廣さん”が”おすすめするビジネス書もご紹介
西野亮廣さんは、いわゆる「ガチインフルエンサー」です。ビジネス書をブログ等でおすすめしようものなら、すぐにそのビジネス書がAmazonランキングでトップに躍り出てしまうほど。
また、西野亮廣さんは「信用」を非常に重要視しており、自身が利用して心から良いと思えるサービスや商品でない限り宣伝しません。そんな西野さんがおすすめするビジネス書についてもいくつかご紹介します。
ニュータイプの時代
オンラインサロンの投稿でも度々登場する山口周さんの著書で、コンサルティング業で培ったナレッジやそこから割り出される今後の時代を生き残れる人材像について書かれています。
西野亮廣さんもよく「問題を解決する人より、問題を創り出せる人」といった内容を発信されますが、それがどのような人か、深くかつ分かりやすく書かれている本です。
藤原和博の必ず食える1%の人になる方法
確か「革命のファンファーレ」のなかでもこの本をおすすめしていましたが、西野亮廣さんが帯コメントを出しているくらい、おすすめ度が高い本です。
リクルートで営業経験を積み、学校の先生に転身した異例のキャリアを持つ藤原氏が唱える、こちらも「今後の時代を生き抜ける人材像」について別の視点から解説しています。
西野亮廣さん自身、お笑い芸人からスタートし、絵本作家として活動しつつ、そのなかで届け方(マーケティング)でも結果を出しており、共感できる内容であったことが推察できます。
ファンベース
キンコン西野亮廣さんと本(ビジネス書)
このように、「現代の革命家」とも評される西野亮廣さん著書のおすすめ本はたくさんありますが、近年は新しい本が出されていないのに気付いている方もいるかもしれません。
ビジネス書のイメージも強いですが、出版予定の本もあくまで「エッセイ」や「インタビュー」です。
これは、本の紹介のところでも触れましたが、西野亮廣さんが日々考えていることや気づきは世間の何週も先を走っており、世間一般向けに発信すると理解されず、あるいは歪曲されて伝わり「知らない→嫌い」となってしまうことが関係しています。
であれば、価値観を共有できているサロンメンバーにリアルタイムで日々の「実験」などの気づきを共有したり、エンタメ制作の過程を共有したりした方がいい、ということに現状はなっているようです。
今後のトレンドのひとつ「プロセス・エコノミー」
西野亮廣さんの得意技のひとつが、「作品づくり」のなかで作品を届けるシステム=お金の流れを設計・構築できることだと私は思っています。特に最近ホットなのが「プロセス・エコノミー」です。
一般的な「クリエイター」と呼ばれる人は、作品を生み、その収益を次回作の予算にするループで回っていますが、これだと作品がヒットしなければ次回作にチャレンジするチャンスが生まれません。
コロナで重要性が増している「ファン」や「応援」と結びついた新しいお金の流れが「プロセス・エコノミー」で、作品を作る過程をリアルタイムでファンに共有し、そこに課金する流れです。作品は一度完成してしまえば「ストック」になりますが、逆にいえば「希少価値」が薄まってしまいます。
一方、作品を作り上げるプロセスは、その瞬間しかありません。実際、漫画づくりでは「プロセス・エコノミー」が始まっています。
西野亮廣エンタメ研究所=プロセス・エコノミー
オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」も、ご多分に漏れず「プロセス・エコノミー」で回っているといえます。その一例が、映画「えんとつ町のプペル」のプロモーションの一環で公開されたMVです。
蜷川実花さんが監督したこの動画は、予算5,000万円かかったそうですが、「西野亮廣エンタメ研究所」というプロセスが公開されるオンラインサロンの売上から予算が拠出され、完成品はYoutubeで無料公開されています。
クオリティの高い作品が無料で公開されることで、結果として認知が広がり、映画「えんとつ町のプペル」の動員につながる、という戦略です。
西野亮廣さんの「最先端」に触れたい方は「西野亮廣エンタメ研究所」を
「現代の革命家」とも評される西野亮廣さんは、「世界でエンタメを取る」という目的のもと、今日もさまざまな活動を行い、その新鮮な気づきをオンラインサロンに共有してくれます。
単に限定の記事を閲覧できるだけでなく、7万人規模に達したコミュニティの「ネットワーク効果」も享受できます。単なるコミュニティではなく、いい意味で同じような「価値観」を持ったコミュニティです。
「オンラインサロン=宗教」といった批判が「西野亮廣エンタメ研究所」ではいかに的外れか、実際に体験してみると分かるでしょう。