近年、デジタルを活用したさまざまなテクノロジーが急速に発展するだけでなく、身近な生活で実用されるようになってきています。DX(デジタルトランスフォーメーション)においても、「データ活用」が重要なポイントになっています。
なかでも、AI(人工知能)やディープラーニングといった分野は非常に注目されていますが、これらを支えているプログラミング言語のひとつがPythonです。
コロナ禍もあり現在のキャリアを進み続けることに不安を持った方も多いかもしれません。プログラミングはスキルとして注目されている分野のひとつですが、Pythonへの需要は今後も伸びることが期待されています。
今回は、特にこれからPythonを学びたい初心者におすすめの本や参考書をご紹介します。
Python 初心者向けおすすめ本 TOP3
結論ファーストで、まずはPythonの初心者向けおすすめ本のTOP3を厳選しました。
- Python 1年生 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ
- たのしいプログラミング Pythonではじめよう!
- 独習Python
初心者向けのPythonテキストといえば、「Python 1年生 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ」。会話形式で読み進めやすいのが最大の特徴。
豊富なイラストで、Pythonの大枠を理解するには「たのしいプログラミング Pythonではじめよう!」がおすすめ。例題も交えながら、理解を進められます。
独学でPythonを学ぶ方で、ある程度体系立てて学ぶには「独習Python」がぴったり。Pythonに限らず、プログラミングを独学で学ぶ方におすすめのシリーズです。
2022年最新版・Pythonおすすめ本
Pythonに限らず、プログラミングの技術は日々進化しています。よって、基本は大事にしつつも、最新の技術書にキャッチアップしておくことも大切です。最近発売されたPythonの本のうち、おすすめの本をご紹介します。
シゴトがはかどる Python自動処理の教科書
Pythonを使った自動化について、実務で使える形で解説しています。Pythonの文法もポイントを抑えて解説しており、初心者でも実践しながら習得しやすい内容となっています。
Pythonコードレシピ集
手元におきながらPythonのコードを書くのにおすすめの本です。コードを覚えても使えなければ意味がなく、やりたいことから逆算してPythonの書き方を身につけられます。
Pythonの本をKindle Unlimitedで覗くこともできる
本記事でこれからご紹介するPythonの本・参考書がおすすめではありますが、特にPythonの習得を検討している初心者・入門者の方にとって、いきなり書籍を購入するのは勇気がいるかもしれません。
そんな方におすすめなのは、Kindle Unlimitedです。初めて会員になる場合、無料体験期間もあるので、タイミングにもよりますが以下のような本を無料で読むことが可能です。
- Pythonで学ぶアルゴリズムの教科書 一生モノの知識と技術を身につける
- スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング
- Progateの次に学ぶ!Python演習問題100問パック!〜データ構造編〜
- Marketing Python マーケティング・パイソン AI時代マーケターの独習プログラミング入門(できるビジネス) できるビジネスシリーズ
- Pythonを活用したビッグデータ処理入門
費用を抑えつつ、気軽にPythonについて学びたい方はKindle Unlimitedのお試し利用もおすすめです。
Python初心者におすすめの本をご紹介
それでは、これからPythonを学んでいきたい初心者におすすめの本をご紹介していきます。
Python 1年生 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ
最初の1冊としておすすめなのがこの本です。会話形式で進むため、読みやすくPythonについてだけでなくプログラミングの基礎を学べます。
これからPythonの勉強を始めたいけど、そもそもプログラミング自体を学んだことがない初心者の方には特におすすめです。
たのしいプログラミング Pythonではじめよう!
こちらも、楽しくPythonの勉強を始めたい方におすすめの本です。豊富やイラストで視覚的にPythonの理解を深められ、学んだことをパズルや例題を通じて定着させることができます。
Pythonエンジニア ファーストブック
こちらは、これからPythonエンジニアとして活躍していきたい方におすすめしたい1冊。
Pythonの基本はもちろん、エンジニアとして開発業務に取り組む心構えや開発プロジェクトの大まかな流れなど、エンジニアとして知っておくべきことが網羅的かつ実用的に学べます。
独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで
近年、ある種の「プログラミングブーム」のような状態で、さまざまなプログラミングスクールがあるほどですが、費用を抑えながら独学でPythonを始めたい方が多いのも事実でしょう。
本書は、独学でPythonを学びたい初心者に非常におすすめできる一冊です。Pythonを武器にどう仕事を進めるか、といった内容まで踏み込んで書かれています。
独習Python
プログラミングの独学で定評のあるシリーズのPython版です。分かりやすい解説はもちろん、この本の内容に沿って手を動かしていくことで自然とPython学習を進めていけます。
スッキリわかるPython入門 スッキリわかるシリーズ
こちらもプログラミングの学習書で定番の「スッキリわかる」シリーズです。
Pythonの仕組みや学習のコツ、落とし穴といった初心者に必要な内容が網羅されている本です。本書では、練習問題で知識を確認しつつ、現場で起こりうるエラーやその解決法も分かりやすく解説しています。
PythonでExcel、メール、Webを自動化する本
Pythonあるいはそもそものプログラミング自体、エンジニアのためのものというイメージが強いかもしれませんが、実はPythonは非エンジニアの方でも日々の業務に役立てることができます。
Excelを駆使してさまざまな業務を行うことも多いですが、「この作業をもっと効率化できないかな?」と思うことがある方におすすめです。
また、これからPythonを勉強していきたい方で、まずは身近な業務から活用してみたい方は、本書を読みながら実践してみることをおすすめします。
できる 仕事がはかどるPython&Excel自動処理 全部入り。 全部入り。シリーズ
こちらも、PythonやExcelを活用して身近な業務を自動化・効率化する術を学べる本です。具体的な実装方法が豊富に解説されており、本格的なエンジニアでなくても応用しやすい内容が多いです。
Python[完全]入門
Python初心者の方も、この一冊で基礎から実践まで手厚くカバーできます。豊富なサンプルプログラムで、Pythonの基礎的な内容と見比べながら知識を定着させられるでしょう。
応用編ではライブラリの利用や作業の自動化、AIやスクレイピングなど、Pythonエンジニアとして必須の内容を網羅しており、こちらもおすすめの本です。
Pythonデータサイエンス
Pythonを学びたい方のなかには「データサイエンス」「データ分析」に興味のある方も多いでしょう。本書は、Pythonを用いたデータサイエンスの入門書として定評があり、Pythonによるデータ集計や機械学習などのデータ分析手法の基礎を学べます。
実践編 Pythonスキルを深めるおすすめ本
初心者向けのPythonおすすめ本に加え、基礎を習得した方におすすめの本もご紹介します。
プロフェッショナルPython ソフトウェアデザインの原則と実践 impress top gearシリーズ
Python2年生 スクレイピングのしくみ 体験してわかる!会話でまなべる!
Python3年生 機械学習のしくみ 体験してわかる!会話でまなべる!
プログラミング初心者におすすめの本
Pythonは人気のプログラミング言語ではありますが、あくまでシステムを開発する手段のひとつです。また、技術の変化が速いため、特定の言語によらない技術力がエンジニアとしての市場価値にも影響します。
その意味でも、Pythonの前にプログラミングの基礎から抑える勉強法もおすすめです。プログラミング全般や基本的な考え方を学ぶうえで有用な本をご紹介します。
おうちで学べるプログラミングのきほん
本だけでは理解しづらい・・・という方のために、パソコンで手を動かしながら実践的にプログラミングを学べる本です。
改訂3版 これからはじめるプログラミング 基礎の基礎
コードやプログラミングだけでは理解が進まない初心者のために、身近なもので例えながら解説してくれる本です。最新の技術にもキャッチアップでき、おすすめです。
プログラミング入門講座――基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業
プログラミングで身に付くスキルは、コーディングだけに留まりません。世の中の様々な局面でも応用できる考え方も一緒に習得できる本です。
ちゃんと使える力を身につける Webとプログラミングのきほんのきほん
生活のなかでもたくさん接するWebを題材として言語問わずプログラミングに共通するエッセンスを学べる本です。
Python初心者におすすめの学習サイト
最近はインターネットを活用してPythonを学習することもできます。初心者のなかにも、いきなり本だとハードルが高いと感じる人もいるでしょう。そこで、Pythonの学習におすすめのサイトをいくつかご紹介します。
Progate・Pythonコース
開発環境を用意することなくPythonのコードをWeb上で書きながら知識や技術を習得できるサービスです。
Pythonの全てのコースを受講するには有料会員となることが必要ですが、無料でも一部レッスンを受けられます。自分のペースで気軽に学べるので、本を買って本格的にPythonを学ぶ前に、一度Progateで試してみるのもよいでしょう。
Python | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate[プロゲート]
ドットインストール・Python 3入門
こちらもPython初心者にうってつけの学習サイトです。数分間の短い動画(解説や実演つき)を見ながらPythonを学ぶことができます。1つの動画が短く、移動中などでもさくっと勉強できるのもありがたいポイントですね。受講者からの質問や回答も閲覧でき、Python学習のつまづきポイントもチェックできます。こちらも一部無料公開されており、初めての方は覗いてみることをおすすめします。
Python 3入門 (全31回) – プログラミングならドットインストール
Udemy 「ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習」
プログラミングに限らず、世界最大級のオンライン学習プラットフォームであるUdemyにはPythonの講座も豊富にラインナップされています。そのなかでも、「ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習」がおすすめです。
一般的なプログラミングスクールのように高額な初期費用は不要で、受講したい講座を選択できます。
Online Courses – Learn Anything, On Your Schedule | Udemy
そもそも、Pythonとは?
Pythonは数あるプログラミング言語のひとつですが、他の言語と比較してシンプルな書き方でプログラミング初心者でも習得しやすい言語です。少ないコードで分かりやすい構造となっており、プログラミング教育でもよく使われています。
分野としては、やはりAI(人工知能)に強く、さまざまなライブラリが揃っています。もちろん、AIやディープラーニング等だけではなく、Web開発等にもPythonは用いられています。
なぜ、Pythonを勉強するとよいのか
初心者としてPythonを学ぶメリットをご紹介しますが、基本的にはJavaの記事でJavaをおすすめした理由と本質は同じです。
『Java入門』初心者向けおすすめ本・参考書|10選 – スポビズ研究所
シンプルに、Pythonを使ったWebサービスや、Pythonが強みを持つAIやディープラーニングに関連したビジネスが増加している、というのが大きな理由です。つまり、Pythonを習得することで、エンジニアとして対応できる案件が多くなります。
また、これはJavaとは異なる点ですが、Javaと比較するとまだまだ普及し始めている段階でもあり、Pythonのプロフェッショナルが比較的少なく、習得できればエンジニアとしての希少価値が上がることも期待できます。
Python初心者におすすめの学習法
この記事にたどり着いてくれている方のなかには、これからPythonの学習を始めたい方も多いでしょう。さらには、プログラミング自体が初めて、という方もいるかもしれません。
私のエンジニアとしての経験(最初はJavaでした)をもとに、初心者におすすめの勉強法を挙げるとすると、やはり本を読み進めるだけでなく、少しでいいので同時並行で「アウトプット」していくことです。
本でPythonの基本的な記述や仕組みを読んだだけでは、なかなか身につきません。
環境構築まではしなくてもオンライン上で簡単なプログラミングができるサービスなどもあるので、本で読み進めた内容を実際にコードで書いてみることの積み重ねが、Python習得の近道といえるでしょう。
そして、モチベーションを保つこと、より「自分ごと」として効率よくPythonを習得するためには、いま本で読んでいるPythonの内容がどのようなサービスで、システムのなかでどのように機能しているかをイメージするのがおすすめです。
とはいえ、Python学習で「実践」のモチベーションをどう保てばいい?
Pythonに限らず、プログラミング習得において「習うより慣れろ」が大原則ではありますが、無目的にコードを書くのは初心者にとって苦痛でしょう。そこでおすすめなのは、「趣味」と無理やりでも結びつけることです。
たとえば、Pythonの醍醐味のひとつ「データ分析」の実践において、無意味な数字やデータをいじっていてもモチベーションを保てないでしょう。
そこで、学生時代までずっと野球をしてきた私の場合、野球にまつわるさまざまな数字を扱い、データ解析の練習をしていました。これにより、無目的にPythonを使って練習していた時と比べ、学習スピードが格段に上がりました。
記法などの最低限の基礎はまず本で網羅したうえで、その段階をクリアしたあとは本で学習した内容を好きなテーマや興味のあるトピックで実践するというサイクルを回すとモチベーションを保ちながら効率よくPythonを学習できるでしょう。
マーケティングとPythonの親和性は高い
このブログでは、スポーツビジネスやマーケティングに関する記事も執筆しています。
『マーケティング本』初心者におすすめの13冊|2021年最新版 – スポビズ研究所
スポーツビジネスとは ~特徴や課題を徹底解説~ – スポビズ研究所
デジタル化が進み、マーケティングやビジネスにおいて「データサイエンス」の重要性が高まっています。
マーケティングやビジネスで活躍する人材で優れているポイントのひとつに「仮説構築力」があると思いますが、その有効性の検証などにデータを拠り所とした分析が欠かせません。
その意味で、マーケターや経営者がダイレクトにPythonを習得し、ローデータを自在に操れるようになれば大きな強みになるのではないでしょうか。
Pythonを武器に実現したいキャリアを描く
Pythonに限らず、プログラミングを習得したいという人が増えていますが、そのモチベーションが長続きする人とそうでない人がいます。なんとなく「手に職をつけたい」といった理由で始めてしまうと、思うように進まないと挫折しかねません。
Pythonの習得は「手段」であって、「目的」ではありません。Pythonを用いてどのような仕事をしてみたいのか、できる範囲でイメージしてみることが大切です。
たとえば、本記事の例で紹介した「ダイナミックプライシング」のシステム開発に携わる、といった目標があれば、本を読み進めるなかでその内容がダイナミックプライシングにどう関連するか考えるようになり、学びが深まるでしょう。
自身の好きな分野やサービスなどから逆算しながら、Pythonの勉強に取り組んでみてください。
DXに向けてビジネス思考を持ったPythonエンジニアが必要
世の中ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれて久しいですが、スローガンとして各所で掲げられている割には浸透していないのが現状です。
人口減少が進む日本で、生産性向上含めDXは避けて通れませんが、DXが進まない大きな理由は「人材不足」とされています。おそらく、DXの鍵となるデータサイエンスとビジネスのバランスを取れる人材の不足です。
これを解消するには、論理的に考えると
・ビジネスのプロがデータサイエンスを学ぶ
・データサイエンスやプログラミングのできる人がビジネス思考を習得する
の2通りです。
私がプログラミング・エンジニアを本業としていて感じるのは、近年プログラミング学習のハードルが非常に下がっていること。これは、コストやコンビニエンスの側面だけでなく、そもそも初心者でも習得しやすい技術になりつつあるということです。
よって、ビジネスのプロがデータサイエンスやプログラミングを習得する方が手っ取り早く効率的だと考えています。
Pythonエンジニアでも、技術に加え「コミュニケーション力」が大事な理由
新卒からエンジニアとしてお仕事をしている筆者も体感として感じていますが、当初と比べて単にコードを書けるだけのエンジニアの価値は下がってきている雰囲気はあります。
以前であればPythonを扱えるだけである程度希少価値がありましたが、プログラミングスクール全盛のいま、飽和状態になりつつあります。
AIの活用により、プログラミング自体は必ずしも人間がやる必要はなくなってくる可能性もあるなか、どのように自身の価値を高めていくか。Pythonを単に学ぶだけでなく、そのあたりも考えてながら学習を進めると、より市場価値も高まるのではないでしょうか。
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