「アンブッシュマーケティング」とはなにか

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スポーツビジネス
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「アンブッシュマーケティング」という言葉、聞いたことはありますか?あるいはその意味をご存知でしょうか?
今年のラグビーワールドカップ、そして来年の東京五輪に向けてスポーツビジネス文脈で注目するべき「アンブッシュマーケティング」について書いていきたいと思います。
 

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アンブッシュマーケティングとは

例によって定義は引用してきていますが、
オリンピックやワールド━カップなどのイベントにおいて、公式スポンサー契約を結んでいないものが無断でロゴなどを使用したり、会場内や周辺で便乗して行う宣伝活動
 
「アンブッシュ」には「待ち伏せ」の意味があるそうです。オリンピックのようなビッグイベントを「待ち伏せ」し、そこに便乗して自社や商品をマーケティングしていく、といったところでしょう。
 
しかし、契約を結んでいないのにロゴを使用したり、明らかな違反はむしろ稀で微妙なラインを攻めていくのが「アンブッシュマーケティング」だと理解しています。
特にオリンピックは厳しいそうで、「五輪」といったワードを使用することすら危険です。そこで「4年に一度の祭典」や「2020」といったワードで「オリンピック」を想起させるといった手法が採られるのでしょうが、みなさんも周りで目にしたことはあるのではないでしょうか。
 

そもそも、なぜ「アンブッシュマーケティング」をするのか

ワールドカップやオリンピックでは、様々な企業がスポンサーにつきますが、コンテンツホルダー側も闇雲にスポンサーを募っているわけではありません。たとえば、カテゴリーごとに1社に限定したりするケースが多いです。
たとえば、東京2020の公式スポンサーは下記のページのようになっています。
特に、トップレイヤーの「ワールドワイドスポンサー」に関してはカテゴリーごとに限定されているのが分かるのではないでしょうか。ここがスポーツビジネスの肝ともいえるのかもしれませんが、権利を限定、排他的にすることで高額な契約を結んだ方が収益が上がりやすいといえます。
 
となると、このようなビッグイベントでは公式スポンサーとして自社の露出やマーケティングを行える企業はかなり限られます。そこで、競合に遅れを取りたくない企業がイベントの波に何とか乗ろうとしているのが「アンブッシュマーケティング」ともいえるのではないでしょうか。
また、公式のスポンサー契約を結ぶと、逆に色々な制約が発生したりと意外と不自由な面もあるのかもしれません。それを考慮し、あえて公式契約は結ばず、「アンブッシュマーケティング」により広告価値を生み出していく戦略を採る企業もいることでしょう。
「ナイキ」はその代表格ともいえます。
たとえば、2012のロンドン五輪においてナイキはロンドンとの関係を想起させるような映像をYoutubeに流すなどしていたそうです。
 

規制はどうなっているか

下記のような「分かりやすい」行為は規制されています。
  • 著作権で保護されている著作物の使用:スポーツ映像、マスコット等
  • 商標法で保護されているロゴやエンブレムなどの使用
  • スポンサーであることの虚偽表示
  • 広告や商品にパブリシティ権の規制が及ぶ肖像等の使用
 
逆にいうと、上記以外は明確に規制されておらず、あからさまではないものの「アンブッシュ」だと分かるような広告・宣伝が多くなっているのが現状です。
 
ひとつ例を挙げると、「beats」という音楽機器メーカーは2014年にブラジルで開催されたサッカーW杯においてドイツ代表の優勝に合わせてナオミ・キャンベルというファッションモデルを優勝トロフィーと同色の金色の格好にした画像をTwitterに投稿しました。
 

ただの金色のサッカーボールではあるのですが、W杯のロゴ等を使用しているわけではなく、タイミングをドイツ優勝に合わせ、「金色」によって「優勝」を表現しているだけなので明らかに権益の「違反」を犯しているわけではありません。そのうえで、莫大な広告効果を出した「アンブッシュマーケティング」だったといえるでしょう。
 

まとめ

これまで見てきたように、「アンブッシュマーケティング」は規制や線引きが非常に難しく、公式な契約を結んでいないノンオフィシャルスポンサーのやりたい放題になっている印象を受けます。東京2020に向けてどう規制していくのか、そして企業側がそこに対抗しどのような「アンブッシュマーケティング」を行っていくのか、こちらも注目してみるとオリンピックが別の意味で面白くなるのではないでしょうか。

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