今週も1週間おつかれさまでした!
今回は日本には馴染みのない「ブラックアウト・ルール」について説明してみたいと思います。
「ブラックアウト・ルール」とは
みなさんは「ブラックアウト・ルール」をご存知ですか?もしかしたら、聞いたことがない方が多いかもしれません。あるいは、言葉自体は聞いたことあるけどよくわからない方もいらっしゃるでしょう。
アメリカの4大スポーツのひとつNFL(アメフト)を例に説明します。
ブラックアウト・ルールとは、試合開始72時間前までにホームゲームのチケットが完売していない場合、開催地(スタジアム)から半径75マイル(約121km)圏内のローカルテレビではその試合を放送させない、というルールです。
では、なぜこのようなルールを設定したのでしょうか。
「ブラックアウト・ルール」を適用した理由と撤廃
シンプルに考えると、放映権はじめメディアによる収入よりもチケットによる収入を第一に考えたということでしょう。やはり、スタジアムにファンがたくさん詰めかけてこそそこからスポンサーやグッズ・飲食などの物販、放映権の収益につながると考えるとこのルールは頷けます。
しかし、NFLでは2015年以降「ブラックアウト・ルール」は廃止されました。背景としてはメディア収入がこれまでになく増加していること、現実的にチケット完売が難しくなっており、オーナーによる買い取りも起こっていたことなどが挙げられます。
「ブラックアウト・ルール」により試合が放送されない、あるいはそのリスクがあればその分だけ放映権収入は減るので、メディア収入の比重が上がってくればこの判断もやむを得なかったのでしょう。
放映権収入に関してはこちらの記事も読んでみてください。
MLB版「ブラックアウト・ルール」について
ちなみに、MLBにも「ブラックアウト・ルール」がありますが、NFLとは性質が異なるようです。何が異なるかというと、一定条件において放送が制約されるのは同じですが、その条件が「ローカル放送と全国放送が同一の試合を放送する際」に「ローカル放送を受信できるエリアでは全国放送がブラックアウトされる」とのこと。
つまり、「チケット収入をメディア収入より優先」といった考え方ではなく、「地域メディアとの関係性」を優先した考え方といえます。この違いは興味深いですね。
まあ、MLBの場合はホームゲームが80試合以上と考えると毎試合チケット完売は考えにくいですよね。
まとめ
今回は「ブラックアウト・ルール」について説明してみました。日本には馴染みないものですし、ルールそのものというよりはこのルールが制定された目的や根底にある考え方を理解することが重要だと考えています。
当ブログでは、スポーツビジネス全体について詳しく解説しています。以下の記事も是非ご覧ください。
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