おはようございます、アラサーSEです。SEといいつつ、実は少し前より営業的な役割も担うようになってきました。そのなかで、様々な課題を感じておりタイトルにある本を手にとってみたので内容を簡単にシェアしてみたいと思います。
著者は大手の野村證券でトップセールスにまで登りつめた冨田和成さんで、入社時は下から数えた方が早かった成績からどうやってトップにまで成績を上げたのか、根本的な考え方から具体的な戦術まで実体験に基づいて書かれています。
そもそも、「営業」というとどのようなイメージをお持ちですか?
いまだに、「お客様にひたすら頭を下げ続ける仕事」といったイメージが多いようです。しかし、冨田さん曰く営業は本来「お客様に価値を提供しつつ、自分も成長し続けられる仕事」だそうです。
そのような「営業」をするには、下記のアップデートが必要。
・「個人任せ」から「組織的な改善」へ
多くの企業の営業は「個人プレー」になっています。というのも、顧客によって適切なアプローチが変わってくるので「個人プレー」になりがちな側面はあります。
しかし、これだとナレッジのシェアが難しく、新人がトップについていっても「これを真似できるわけがない」となってしまうわけですね。
確かに、アプローチは様々ですが「勝ちパターン」は限られているので、それを言語化し強い営業組織にしていくことが大切です。
・「機転勝負」から「型化」へ
最初はどのようなアプローチが良いか探り探りなのでその場の「機転」に頼りがちですし、成績の良い営業を見てるとその場の機転が利いているように見えますが、トップセールスを決まった「勝ちパターン」を持っており、それを応用しているに過ぎないそうです。
・「画一的アプローチ」から「最適化されたアプローチ」へ
テレアポを想像してみるとイメージできると思いますが、決まった営業トークをしていては売れる確率は低く、顧客ごとに最適なアプローチをする必要があります。
そんなことをしていては非効率だという考え方もあると思いますが、たとえばターゲットごとに前調べをして戦略(誰に当たるか、どのようにフックを作るかなど)を考えるのは慣れれば早いそうです。
・「御用聞き営業」から「仮説営業」へ
変化の速い時代に「御用聞き営業」に付き合っている暇はありません。営業する側としても、「御用聞き営業」ではアポまではたどり着けたとしてもその後の成約まで至る確率は低いです。
そこで必要なのが「仮説営業」です。これは、事前に相手企業のホームページ等から情報収集し、ニーズに関する仮説を立ててぶつける営業です。こうすることで「こいつは分かっているな」と期待してもらえ、結果的に成約に至る確率が高まります。
・「セールス重視」から「マーケティング重視」へ
営業のプロセスとしてアプローチするリストを作成するところから実際のアプローチ、成約まで様々ありますが、ここでは「誰に」の選定を重視する重要性を説いています。
アポ後のプロセスであるプレゼンの質を上げるよりも、上流フローのどの企業に当たるか、良質な見込み顧客の選定に時間をかける方が成果につながります。
では、上記のアップデートを実行する上で必要な力はなんでしょうか?
それは、以下の4つだそうです。
・仮説思考力
・因数分解力
・確率的思考力
・PDCAを回し続ける力
たとえば、筆者の例だと
・ライバル証券が重視しているエリアを避けるよう先輩から言われていたが、他証券が取引しているからこそ金融リテラシーがあり成約につながりやすいのではないか(仮説思考力)
・成約を増やすにはどこにボトルネックがあるのか(因数分解力)
・テレアポ断られても、アポに至る確率は1%程度だから「当たり」につながりやすくなったと捉える(確率的思考力)
などなど様々分かりやすく書かれています。
この本は、営業の人を対象に書かれたと思いますが、全てのビジネスパーソンにとって読む価値があると感じます。私的にも、抽象的な考え方だけでなく、それを基に具体的な戦術例も多いので今日から実践してみようと思います。
興味のある方は手にとってみてください!