【Skyrunning World Championships 2021】近江竜之介/Ryunosuke Omi インタビュー【スカイランニング世界選手権】

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2021年7月9日~11日、スカイランニング世界選手権が行われた。

TEAM SKY KYOTO代表の近江竜之介/Ryunosuke Omiがスペイン、カタルーニャ州バルデボイに足を運んだ。
飛行機を乗り継ぎ移動時間は約20時間、時差ボケもある中での戦いだった。

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本腰を据えていたバーティカルレース

初日は近江が最も注力していたバーティカルレースだった。

結果は7位。

3年前、近江はU18の世界選手権で優勝している。しかし、今大会は年齢の関係のないレースだった。「年齢の関係ないレースで自分の実力がどこまで通用するのか楽しみに参戦しました」そう述べていた。

近江はまだ19歳だ。にも関わらず、世界と純粋に勝負するという意気込みと挑戦心には驚かされる。

近江コメント

バーティカルレースは基本ウェーブスタートで全員がゴールするまで順位がわからないが、今回は一斉スタートだったので、常に自分の順位がわかるレースでした。個人的にはこちらの形式の方が、誰が先行していて誰と競いあっているのかを知ることができ、面白く走れます。
スタートは混雑していましたが、うまく前に出ることができました。スタート地点から400mでシングルトラックの山に入ります。前半部分(0.4km~2km)は緩やかな傾斜が続きその部分で海外勢からの貯金を作る走りで2位に付きました。ヨーロッパ特有のカラっと乾燥した空気でのどがからからになりましたが、気になったのは数秒の間だけで集中できていました。足への負担は大丈夫でしたが、心拍数が194まで上がりかなりしんどかったです。それでも後半には日本でもあるかないかの急斜面が約1km続くパートがあり、ポールを使った海外の選手はとても速く、貯金を作るのに必死でした。後半部分(2km~3.3km)は50%越えの急斜面がひたすら続きます。このパートで予想通り、海外の選手が力強くパワー俳句でペースを落とすことなく登っていきました。自身、他選手と差がついたのはこの後半部分です。走れる傾斜から走ることが困難になるパートでうまく切り替えができていないことが原因だと感じています。なので、今後の課題はパワーハイクのレベルアップ。もしくは急斜面でも対応した無駄のない走りです。2か月ほど前からウエイトトレーニングを取り入れるなど改善すべきポイントを徹底的に鍛えています。ウエイトを始めてから、調子もかなり良いですし、成長をここ最近すごく感じられています。11月のトレイルランニング世界選手権や来年のスカイランニング世界選手権では「世界一」を狙えると思っています。「日本は上田瑠偉だけではないぞ!」というところをお見せできればと思っています。

【コンバインドのために】スカイレース

VKの二日後、近江は38km D+2750mのスカイレースにも出場した。VKの結果が功を奏し、コンバインド部門でメダルを狙える位置にいた。

19歳でのコンバインド部門のメダル獲得を目指し、8時15分、スタートを蹴り出した。

スタートしてしばらくは走れる林道。先頭集団にうまく入り最初の上りに差し掛かりました。脚も心肺
も余裕があり、最初の上りをトップで通過。一緒にいたのは上田瑠偉選手。海外選手から少しリードし
ていたが下りで一気に詰められ、追い越される。少し焦りましたが、自分の得意とするパートは上りな
ので冷静に見送る対応をしました。2本目の上り口は3位集団で通過。一緒にいたのは、今レース優勝
したスペイン人と4位だったスペイン人と僕の3名。「さあ、これから2本目の上りだ」という時に想
像以上に早い、足の攣りが来ました。自分が思っている以上に気温は上がっていて汗をかいているのだ
なとそこで感じました。用意しておいた塩水を摂り、少し回復。2本目の上りは自分の設定より遅れ、
4位キープ。下りでまた後続に縮められました。3本目の上りは今レース最高峰の 2,600mまで登りま
す。高地で酸素も薄く、日差しも強く、過酷な部分でしたがペースを落とし過ぎず乗り越える事が出来
ました。最高峰を超えるとあとは下るのみ。脚は使い切り、フラフラのダウンヒルでしたがコンバイン
ド(複合)も接戦であったので、必死に走りました。

結果は8位。

世界との差を痛感させられた。

近江コメント

メダルを取ることが出来ず、凄く悔しいです。今回で浮き出てきた課題は、日本人選手全員
に当てはまると思いますが、牧草地でのダウンヒルです。牧草地特有のボコボコ感。本当に足にきま
す。これを克服するには、強度を上げたダウンヒル練習しかないなと感じました。怪我のリスクもあり
ますが、こういった練習を取り入れないとトップでは戦えないのだと感じました。

靴ひもは結び直せる

悔しい思いをしただろう。

見ているビジョンは違えど、その気持ちはひしひしと伝わってくる。

筆者からすれば、いや一般人からすればすごく贅沢な悔しみだが、彼にとっての悔しさはそこに至るまでの努力があるからこそ、悔しめる権利がある。
なにかを成し遂げたくて、そのためになにかをして、初めて悔しいという感情が沸き上がる。
これを未来の糧にしてほしい。

靴ひもは結び直せる。
結び方は人それぞれで、時には結ばずに進む人もいる。
新たに結び直し、新たな目標に向かって走りだしてほしい。

上田瑠偉(右)と握手を交わす近江(竜)
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