チケッティング戦略①

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スポーツビジネス
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ブログ「ITからスポーツ界へ」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回はチケッティング戦略①ということで球団・クラブのチケット担当が意識している戦略等について触れてみたいと思います。
 

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チケット戦略がスポーツビジネスの肝

スポーツビジネスには、チケット/放映/スポンサーシップ/ライセンスあたりが主要事業であるということは以前触れました。金額的にも、チケット以外、つまりtoB事業が大きな割合を占めるのが一般的と言われていますが、それでも「チケット」が最も重要だと考えます。
なぜでしょうか?
それは、チケットが売れるからこそ放映権の価値は上がるし、スポンサーサードしてもらえるし、グッズや飲食も売れるからです。そういう意味で、チケット収益の最大化と球場・スタジアムの満員感の醸成をいかに達成するかが重要です。
 

収益安定化のためにまず考えるべきことは何か

スポーツビジネスが特異である大きな点のひとつが、「不確実性」です。チームの順位と収益はある程度相関してしまいますが、チームの順位はいくら編成を強化しても上位に行ける保証はないですし、1日単位で見ても天候が悪かったら当日券が売れにくいなど、様々な「不確実性」が伴います。
その前提に立つと、まず考えることはチームの成績に左右されない収益基盤を構築することでしょう。
 
そこで出てくる考え方が「年間シート」や「前売り券」です。
特に年間シートはシーズン開始前に売上を確定させることができるので、チケット担当者としても、球団全体としてもこの割合が高い方が、上記の「不確実性」をヘッジすることができるわけですね。
 
担当者は球場全席のなかでどこを年間シートにして、その他に関してもそれぞれどのランクにするか、団体席やVIPシートにするか等アロケーションを考え、シミュレーションし、収益の最大化を目論みます。
 

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理論的には、いかに年間シートの割合を増やし、シーズン前で収益を積み上げるか、ということになるのですが、日本ではその割合はまだまだ低く、一方MLBではそこそこの割合に達しているようです。
それはなぜか?
やはり、「リセール(再販)」市場がポイントだと言われています。シーズンシートを購入する際、「毎試合観戦に行けるわけではないし、観に行けない試合がもったいない」と考えますよね。
日本ではまだその仕組み整っていないですが、アメリカでは観に行けなくてもリセールに出せるので、ファンも安心して年間席を購入できます。
※リセールについて詳しくはいずれ触れたいと思います
 
ちなみにですが、日本でも別の形でシーズン前にチケット収入をできるだけ確定させようとしている球団があります。どこでしょうか?
 
それは広島カープです。こんな記事が出ていましたね。
 
手法もアナログですし、シーズンシートがメインでもないですが、目的は同じだなと感じる事例です。
 
今回は簡単に「戦略」の概要の概要くらいのお話をしましたが、具体的な戦術等にもいずれ触れる予定です。
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