「オンラインサロン」の本質からスポーツビジネスが学ぶポイントとは

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連日、オンラインサロンの話題で恐縮ですが、改めてオンラインサロンについて考え、そのエッセンスからスポーツビジネスが学べる点という視点で書いてみます。

オンラインサロンとスポーツビジネス

オンラインサロンは怪しいのか?

まず、「オンラインサロン」そのものについて、まだまだ理解が広がっていない現状があります。キンコン西野さんはよく「知らない」と「嫌い」は近い感情である、と仰っていますが、まさにオンラインサロンはこれに該当します。圧倒的に日本最大のオンラインサロンでも6.5万人程度なので、仮に日本で10万人がオンラインサロンに入った経験があるとしても、1,000人に1人程度しかオンラインサロンを肌感覚として知りません。また、これも西野さんが仰っていますが、オンラインサロンの全てが良いオンラインサロンとは限らず、ピンキリで詐欺や宗教に近いオンラインサロンも存在するのは事実です。

要は、一概にはいえないというのが「オンラインサロンは怪しいのか?」に対する答えですが、一方でオンラインサロンをよく理解せず「怪しい」と言われてしまっているのも事実としてあります。その前提で、オンラインサロンのエッセンスについて考えてみます。

オンラインサロンの本質はなにか?

やはり、日本最大のオンラインサロンのオーナーに学ぶのが手っ取り早いので、西野さんがオンラインサロンを始めた最大のきっかけではないかと筆者が認識している背景を解説します。

西野さんの目的は、原則として人を楽しませることにあります。この目的に沿って芸能人やテレビタレントという「手段」から、「絵本作家」にシフトしてきているのがざっくりとした流れです。そのうえで大切な存在が「ファン」であり、このファンをいかに「増やすか」という視点を常に持っています。この「増やす」の意味合いが肝ですが、当然「新規」と「継続」の視点がありますが、特に「継続」について考えたときに言葉は別として「オンラインサロン」という手段が出てきます。

これも西野さんがよく話していることですが、日比谷で独演会を開催していたときに、独演会後にファンの人々が周辺の飲食店に流れていくのを見て「自分は何しているんだ?」と思ったそうです。どういうことかといえば、西野さんはその飲食店から報酬をもらったり感謝されたりしているわけではないのに、飲食店の売上に貢献しているということです。ここに機会損失があると感じ、であれば独演会に来た人の2次会場所を予め決めてしまい、西野ファンの集合場所を作ってしまえばよいのではないか、というのがオンラインサロンにつながるエピソードとして認識しています。

※オンラインサロンはこれより前からあったと思われます

そして、ここからがオンラインサロンの本質のひとつですが、この「集合場所」によるメリットは、ファン同士がつながる場を作ることです。ファンを「継続」してもらう仕組みにつながりますが、西野ファンのAさんが同じく西野ファンのBさんやCさんとつながる場を作れば、仮に西野さんに興味がなくなっても、同じ趣味を持ったBさんやCさんとの縁を切る「コスト」が高くなります。「オンラインサロン」はメンバー同士のつながりを広げ、退会する心理的コストを高くし、結果として会員数は増え続けています。実際、今くらいの人数になると国内外各地にメンバーが点在し、リアルなつながりも急増しています。まさに「ネットワーク効果」ですね。

スポーツビジネスがオンラインサロンから学べること

スポーツビジネスにおいて、オンラインサロンに近いイメージがあるのが「ファンクラブ」でしょう。しかし、(これがファンクラブとオンラインサロンの大きな違いですが)ファンクラブではファン同士のつながりは基本的に設計されておらず、球団とファンという関係性になっています。また、球場で観戦したあとのファンの行動を思い浮かべると、まさに西野さんの独演会後のファンの行動と同じで、思い思いに飲食店などで余韻を楽しんでいるのが現状でしょう。元々の知り合いと一緒に試合観戦を楽しむことはあっても、そこから派生するファン同士のつながりを球団として設計できていないところにまだまだ伸びしろがあります。もし、巨人ファンのAさんとBさんという職場の同僚がいるとして、もしAさんが転勤などで東京を離れてしまった場合、Bさんは東京ドームに足を運ぶ回数は間違いなく減るでしょう。意識しているかしていないかは別として、多くのファンにとって「野球そのもの」よりも「知人とスタジアムで楽しむ時間」の方が価値が高いからです。この部分の設計が、西野さんのオンラインサロンから学べるエッセンスではないでしょうか。

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