なぜスポーツ観戦チケットは数千円で手に入るのか ~パレートの法則はあらゆるビジネスに応用できる~

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さて、前回に今年の振り返りと題して記事を書きましたが、早速更新致します。笑

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今回のテーマは「パレートの法則」です。

パレートの法則とは

Wikipedia先生によると、

パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。

パレートの法則 – Wikipedia

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概念として聞いたことがある人も多いでしょうし、例えば身の回りでいうと職場において20%の人が全社の80%の売上を獲得している、といったところでしょうか。あるいは、あるサービスの売上額の80%は、20%のロイヤルユーザーがもたらしている、という例もよく使われますね。

プロ野球球団が必要とするチケット単価を概算してみる

そこで、です。

日本のプロスポーツの代表格であるプロ野球のチケット価格を思い浮かべてみましょう。席数的に多いのは、内野自由席や外野席ですね。これらの価格は、もちろん球団(主催者)や曜日、対戦カードなどによって多少の差はあれどだいたい1,000円から3,000円くらいに収まりますよね。

一方、球団としてチケット収入全体をどれだけ確保できればいいかというラインから必要なチケット平均単価を概算してみます。以下のような計算をしてみると、チケット平均単価として5,700円程度は必要になる、ということになります。

※あくまで概算として捉えていただければと思います。

【前提】

・年間売上:200億円

・平均観客動員数:25,000人

・主催試合数:70試合

・チケット収入割合:全体の50%

ちなみに、チケット収入割合はだいたいこれくらいで大きく外れてはないと思います。MLBで約1/3ですが放映権が大きく、プロ野球の場合MLBほど放映権は高くありません。

なぜプロ野球はMLBに観客数で勝ってチケット収入で負けるのか? 専門家が解説する仕組みの違い
日本プロ野球(NPB)はメジャーリーグベースボール(MLB)に観客動員数では2年連続上回っている。しかし、チケット収入ではNPBはMLBの半分程度と大差をつけられてしまっている。大差がついてしまった原因はどこにあるのだろ

【チケット平均単価概算】

100億 / (25,000 × 70) = 5,714円

つまり、数千円でプロ野球を観戦できるのは、「誰か」が多く支払ってくれているからです。その誰かとは「ロイヤルカスタマー」ということになりますね。

プロ野球のロイヤルカスタマーはだれか

では、プロ野球観戦における「ロイヤルカスタマー」はだれでしょうか。

それは、ほんの一握りのシーズンシート保有者や法人のVIP席購入者です。もちろん、一般的な席と比較して付加価値の高い商品の対価として、高額な金額を球団に支払っているわけですが、多くのファンはこの「ロイヤルカスタマー」のおかげで、庶民的な価格でプロ野球興行を楽しむことができるわけです。

ここでも、「パレートの法則」が成り立っているのではないでしょうか。

あらゆるビジネスに当てはまる「パレートの法則」

実はこの記事を書いたのはきっかけがあり、それはキンコン西野さんがvoicyで語っていたこの回の内容にとても共感した、ということがあります。

voicy.jp

簡単にいうと、航空会社の収入の大部分はVIP席が占めており、それを「飛行機はVIPで飛ぶ」と表現されています。ここでも「パレートの法則」です。

この事実自体は私も元々イメージできていたのですが、なるほどと思ったのは「一般人が安い価格で飛行機に乗れるのはVIPのおかげ」という捉え方です。これはあらゆるビジネスやサービスにも当てはまると感じました。その背景があっての本記事のタイトル「なぜスポーツ観戦チケットは数千円で手に入るのか」です。要は、比較的安価にプロ野球観戦を楽しめるのは、一部のVIP達のおかげである、ということ。

少しそれますが、西野さんはこの普遍的な事実の「実証実験」として、無料のコーヒーショップを開くそうですね。

voicy.jp

簡単に表現すると、この「パレートの法則」が「循環経済」として成り立つか、ということです。詳しくはこのvoicyを聴いてもらえればと思いますが、個人スポンサーが負担することで無料でコーヒーを飲める仕組みで、「無料」を享受していた人が今度は「スポンサー」になり、、、という循環ができたら素晴らしいですよね。これが実現できるかを実証する事業とのことですね。

スポーツビジネスについてより詳しく知りたいという方は以下の記事もご覧ください。

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