おひさしぶりです!今回はスポーツビジネス・根幹事業のひとつ放映権について、日米のメディア環境に違いに着目して簡単に書いてみました。
そもそも、「放映権」とは
放映権(ほうえいけん)とは、主にテレビ局でのテレビ放送において、他社から借り受けたり配給されたニュース素材・放送番組や、スポーツ・イベントを独占的に放映できる権利のことを指す。ラジオ放送の場合は、放送権と言う場合が多い。
しかしながら、何となくの定義はあるものの、放映権を規定する法的本拠はないみたいです。では、「放映権」がどのように規定されているかというと、その大元となっている権利規定は「施設管理権」のようです。たとえば、球場をそもそも「所有」している、あるいは所有はしていないけど事業権を獲得し「専有」することで、放送局に対して「所定の場所にカメラを設置して撮影・放映していいですよ」という権利を売って収入を得られるわけですね。
放映権を考えるうえで、球場やスタジアムの事業権を球団が握っていることが大切なので、昨今の球場・スタジアムをチームが所有しようとする動きも納得性がありますね。
▽放映権とは
プロ野球球団における放映権料収入の位置づけ
プロ野球球団のビジネスにおける放映権料の立ち位置を簡単に確認してみましょう。リンクの記事によると、2017年の楽天イーグルスの事業収入のうち約11%を放映権料が占めています。
楽天イーグルス「観客増で営業黒字化」の背景 | スポーツ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
球団の年間収入を約150億円と仮定すると、放映権料は約16.5億円の計算になります。MLBと比較すると、やはり日本のプロ野球の放映権は高くないといえるでしょう。
プロ野球の放映権料は、MLBと比べて安いのか?
プロ野球(日本)がMLB(アメリカ)より放映権料が圧倒的に低い理由
MLBのような放映権一括管理のメリットは?
もちろん、放映権一括管理にメリットがないわけではありません。実際、日本でもJリーグやBリーグは放映権をリーグ一括管理にすることで放映権を高く取引し、リーグからクラブに還元しているモデルもあります。ただ、プロ野球の場合はBリーグやJリーグと比較してチーム数も少なく、日本のメディア環境においてはここから一括管理するメリットは薄いかもしれません。ある程度チーム数が多く、事業面から競技レベルまでボトムアップしていきたい場合に、リーグ一括管理からチームへの分配のモデルがより効果的かもしれません。
ただ、日本でもJリーグがDAZNと10年2100億円での契約にしている事例もあるので、プロ野球においても一括管理を求める声が挙がるのも理解はできますね。
とはいえ、この巨人とDAZNの契約がきっかけとなって新たな動きが出てくるかもしれないですし、今後に注目したいと思います。
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